このご本、著者さんである栗田正行先生から頂きました。
少し前に、こんなブログを書きました。
できる教師のTODO仕事術
これも先にご紹介した栗田先生のご本です。
この中でわたしはこんなことを書いています。
どんなに大きな組織で、どんなに偉そうな役職が付いていたとしても、もちろん仕事は異なりますが、マネジメントしてるのは、10人そこそこです。
それに比べて、教師の方というのは、少なくとも1クラスで30人から40人とか相手にしてるわけです。
それだけでも、あなたの仕事を誇ってください。
そして、マネジメントするのは、30人から40人の子供たちと、さらにその親御さんです。
合わせたら100人超えるわけですよ。
子供と親御さん含めて100人を超える人たちをマネジメントする立場にあるわけです。
それは先生たちが意識するしないに関わらずです。
そして、今回のご本で、「おっと、マネジメントというか関わりに気を使わなくてはならない人たちは、まだいたじゃないか。。。」
そう、同僚もしくは上司、部下と言った別の先生方です。
なんとなく、その人数の多さにクラクラしますね。
さて、当然ですが、子供たちも親御さんもそれぞれに一人の人間として多くの個性を持っています。
自分が担当する教科が得意な子どももいれば、当然そうでない子どももいる。
それだけでなく、家庭の事情から、学校でやっていくのが厳しいという子どもや逆に学校という場所でやっとバランスを保っている子どももいるわけです。
多かれ少なかれ、そう言った人間たちを扱わなくてはならないお仕事の先生方ですが、このご本を読むと職員室の中は、ものすごく普通の会社のにおいがします。
ご本を読むと分かりますが、困ったさんに悩まされるのは、なにも一般の職場だけにあらずなのね。。。そんなことを感じます。
幸い一般のサラリーマンというのは、本人がどう思うかは別として、その職位によらず、偉い人なんてのはいないに等しい。
職位というのはあくまでも役割ですからね。
徳を積んだからそうなったとか、実はそういうものではないんですね。
言うたら、全部とは言わないけど、だいたい偶然です。
まぁ、この手の話
ぺーぺーのお前が何を言う!とお叱りを受けそうですが、どこまで行っても、それは変わらないです。
それと比べると、先生という職業は、意識しているしていないに関わらず、「未来をになう子供たちを育てる」という大きな仕事の中にいらっしゃいます。
その先生たちが、まさか子供たちと向き合うのとは別で、職員室で他の先生たちと、別の仕事に振り回されて疲弊してるなんて。
そんなことあってはダメでしょ。
それで、ビジネス書なんかを見てみると、この「人間関係について語る本」というのは実はいっぱい出ています。
だから、このブログの読者さんは少なくともいくつかは手に取ったことがある方が少なくないはず。
例えば「嫌われる勇気」なんて本は、ベストセラーになってますから、普段、本を読んだりしない人でも、たまには読んでるかも知らないですよね。
「嫌われる勇気」みたいなご本を読むと、一定の知見が得られるわけです。
だけど、先生たちは、そういう本に触れる機会があるだろうか!ということをふっと思います。
いやいや、読んでいないんじゃ(まぁ、たしかに機会はないんじゃないかと思ってますが)とか、そういうことを言いたいんじゃなくて、先生たち自身が「自分たちはそういうビジネス書とは関係ない」と思われているんじゃないか?
ってことです。
教育者ですからね。
でも、一般の企業に勤めちゃってる私からすると、このご本に出てくる職員室の様子、先生方の関係性はまさに一般のお仕事でも同じなんですよ。
だから、ほんとはビジネス書を読むと、拾える知識がいっぱいある。
だけど、このブログすら、先生方に届くとは思えない。
そして、最大の問題は、そんな時間はもはや先生方には残されていないだろう。
人は、「もしかしたら役にたつかも」ということをするとしたら、余裕のある時しかないのよ。
そして、先生たちにはきっとその余裕はないでしょう。
それでも彼らは、本当はすごく真面目で、子供達を教えることに、子供達の人生を支えるサポーターとして、素晴らしくありたいと思っているはずです。
たまに事件で取り上げられる先生もいるけど、それは、社会で一定数が犯罪を犯すように、同じような割合か、もっと少ないと思います。
少なくとも私の出会った先生方
それは、私の学生時代という意味ではなくて、社会人になってからね。
教育に携わっている多くの人が、子どもたちのことをただただ考えて、彼らが生きられるようにと願っているんです。
だけど、いろんなものに邪魔されて、叶わないことがいっぱいある。
本当は煩わしい職員室の困った先生も悩んでるけど、もっともっと、どうやったら子どもたちにわかりやすい板書をできるかを悩んでいるかもしれない。
そうやって本屋さんを覗いた時に、その教育関係の棚で、この本に出会って欲しいと思うんです。
一生懸命に子どもに向かっているのに、それ以外の職員室でのことがうまくできない人たちはいるでしょう。
でもそれは、実は子どもなんて存在が見えもしない一般の会社でも、うまくできない人たちはいるんです。
そんな職員室なんて小さな大人の世界のことがうまく回さないというだけで、子どもたちに対する気持ちを切らして欲しくないなぁと言うのが本音です。
まぁ、教育というか学校というのはいろいろあるわけで、先生は教えるだけじゃなくて、親にも対応しなくてはいけなくて、さらに職員室はミニ企業で、上長がいて、他にもいっぱいやることがあって。。。
スーパーマンの集団なんだろうか。
そんなことを思ったりもする。
ただ、人間がいる限りどこにいっても悩みはあります。
教職で、特に職員室でうまくできない人はそこを離れたからといって、幸せになれるわけでもないです。
社会は同じですから。
そうであれば、先生たちが見に行くであろう本屋さんの棚にこのご本があるのは大変に意味のあることなんじゃないかと、すごく思ったという話でした。
今、この本を必要としている先生たちに。
そして、ふと、子どものことが頭いっぱいで、もっと子どもに教育することに熱心な先生が本屋さんで、これをチラ見して、それでも苦しくなっちゃってる原因の人に人間関係がないかどうか?今一度考えるキッカケになって欲しいです。
栗田先生!
ご本ありがとうございました。
先生たちもこんなふつうの人間関係での取り回しに悩まれてるのね!ってものすごく勉強になりました。
こんなことに悩んで、教職を離れる先生が少しでも少なくなるように、悩める先生方に届けと、願っています。