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【読書】町工場の娘



町工場の娘



こちらのご本は日経BP社様より頂きました。
ありがとうございました。


いやー、久しぶりに泣かされました。
いわゆる台湾新幹線で読んでたんですけど、人目もはばからず(いやいや、ほんとははばかってるわよ。でも、止まらないのよ)泣きましたわ。


読む人によって
突然の主婦からの2代目社長奮闘記
とも読めるし、
女性の目線での経営
みたいなこともあるだろうし。
サクセスストーリーな感覚が強いんじゃないかなぁ、と予想するんですよね。


それの、どれもがこの方の要素であるし、正しいと思うんです。


すごい、素敵!、もっと活躍して欲しい!


それはもちろんそうなんだけど、なんというかな、わたしは「この人はなぜ、これをやり遂げられたのか?」ということを思いながら、ずっと読んでいたんですよね。


ただの主婦が、経営者に転身して、成功するストーリーというのは、世の中に「ある」と思うけど、この本に関して、果たしてそういう読み方が正しいのだろうか?と、問いながら読んでました。


それでまぁ、結論が出るかっていうと、出ないんですけど、率直に言えば、「タイミングやと「ご縁」と「ご恩」と「才覚」みたいなことを感じたかな?


時折、ブログにも書きますけど、わたし自身エンジニアをしているというのは、時に、流されてるように感じることのがあるんだけど、うちから湧き出る「信念」みたいなものも確かにがあると、最近、思ってるんですよね。


さて、この話でいくと、いきなり先代のお父さんが亡くなって、社長をやると決心する場面がありますが、そこはたしかに相当ドラマチックであるわけだけれども、布石として、「いずれ私が、継ごう」という思いは、育てられ方にもある。社長になる直前、旦那様の渡米に合わせて、経営について学ぼうとしていた姿勢からもそれは現れている。

やっぱり「信念」がある!
と思うんです。


時々の決断は、もちろん、時に厳しいこともいっぱいあるわけだけど、「常に考えている」いや、もしくは思考してるんじゃなくて、「常にシミュレーションしている」「常に感じている」何かに突き動かされているというのがポイントになるんじゃないかなぁ、とね。


それで、たまたまタイミングがここになったと。


ドラマチックに語るには、あまりあることではあるけれども、そのドラマは「タイミングがバッチリあった」というだけで、実はむしろ、いろんなことが整っていたんじゃないかなぁ。なんか歯車が噛み合うようなそんな感覚ね。


いや、もちろん、経営が行き詰まっていたとか、順風満帆で引き継いだわけじゃないのは、本を読めば十分にわかる。

でも、だからこそ、精神的な位置付けとしての準備が、2代目社長の方にはやっぱりあって、先代の中にも、合理性だけではない、「言葉にはできない思い」があって、そういうことのすべてで、このタイミングというのは、やはり大きいと思う。


また、2代目社長というのは、逆境の時に変わるのが、絶好のタイミングだと私は思ってます!これ絶対そうよ!


なにやったって、先代と間違いなく比べられるわけだから。


人間は、これまで続けてきたことの方がどんなに苦しいことであれ、「楽である」ということもある。


だから、変わった時期が、順風満帆の頃なら、きっと何も進まない。


社員とぶつかるみたいなことって、なんかひどく大人として間違ってる気がするけど、実はそんなことなくて、「私がやりたいと感じていることのエネルギー」と「相手がやりたいと感じていることのエネルギー」双方の交換みたいなことなんだよね。


それは最終的にお互いが納得できるところに、行きつくための過程の一つで、とにかくだ、命のやり取りみたいなことなんじゃないかな、と。


んで、この「命のやり取り」ができる相手

ほんとは誰だって、誰とだって、できるんだけどさ、いきなりポッと出てきた2代目社長に、上からをモノを言われたら、「そうですか、やりましょう」みたいになる人は皆無で、とにかく面白くない。


ましてや、アメリカでMBA取ってきましたみたいな人に「経営が合理的ではないですね、今すぐ、こうしましょう!」と言われて、すぐに「それは素晴らしい」なんてなるはずもない。


そこが「ご縁」だと思うのよね。


先代から引き継いだいろいろは、2代目の中に脈々と生きている。それとは別に社員にも脈々と生きていて、それをみんなが失いたくなくて、2代目社長をすえるとなった時に、どちらも「会社を存続させたい、この生きていく場所を守りたい」という思いがあって、はじめて「命のやり取り」ができるかなぁって思う。


だから、やっぱり「ご縁」で、どこまでいっても、根っこでは「同じ目標に向かっている」というのがなければ、きちんと成立しないんじゃないかなぁ。。。


そうして、進んだエネルギー同士の交換の末の「ご恩」というのがあると思う。


それは先代の築き上げた縁故でもあるわけだけど、人間は、誰しもバカではないので、銀行であれ、取引先であれ、「親の七光りで良くなってるだけだよ」みたいなことを仮に思ったとしても、その先に、「何があるのか」というのは感じ取れる能力があると思っている。


ま、もちろん、そんなことを後先考えずに言えちゃう人は、あんまり考えてないかもしれない。


そういう人が「ご恩」を返してくれるわけでもないので、そこは放っておいていい。


本の中で出てくる2代目の具体的な行動、それらは、リストラだったり、工場の効率化だったりということがある。そういう行動は目立つと思う。目立つけども、縁もゆかりもない誰かが来て、「それをやれば経営が立ち直ります」というやり方だけでは、実は立ちゆかないところに現代はきてるんじゃないかと、私自身は思っていて、そこも含めた、エネルギーを感じ取るから、「ご恩」を返そうという気にもなるんじゃないか。


時間的スパンや経営のことはわからないけど、「解散、買収」などをせずに、させずに、時間をくれるという背景には、そういうことも知らず知らずにあると思う。


「ある時期までに改革します!!」という約束をして、それを果たす。それらの成果は、もちろん「目に見えるので評価される」はずだけど、その目に見えるものだけで人は動いてないよなぁ、と、つくづく思う。


そして最後に「才覚」


この2代目社長の決定の仕方、物事の進め方は、「才覚」というのにふさわしいと思う。


講演会等で、MBAを取ったのか?とか経営学を生んだのかという質問をよく受けるようだけれど、それに対して彼女は「そのようなことをしていない」と答えている。


主婦だったんだから当たり前よね〜〜みたいなのは、実は、間違いだと思う。


本の中でも語られていたけれども、そんなこと学んでいなくても、実はやらなきゃいけないことは変わらない。


いろんな言い方はあるんだと思う。


理系だったからロジカルシンキングできたんだろう。
そういう面もゼロではない。
ちゃんと数字ど向き合う癖をつけるようにとなる。
だけど、私は彼女が成し得たことの主要因がこれだ!というわけではないと思う。


やらなきゃいけないことはMBAを取っていようが、いまいが、コンサルタントがついていようが、いまいが、変わらない。


いや、ヒントをもらえるという意味ではそうかも知らないけど、最終的には収入に対して支出を減らせば、儲かるように出来ている。


それをどう実現するかというのについては、もちろんそうだけど、私が一番思うことは、「やると決めたことをきっちりと確実にやる」という才覚かなって。


結局のところ、どんな場面でもそうだけど、やることが決まってたって、なかなか出来ない。


ましてや望まれてなった社長ではない(ほんとは、望まれてたけど、誰もそこまで望んでなかった)場合、きっちりやると決めたことを貫けるかというのは、これまで言ったタイミング、ご縁、ご恩、そして、才覚がなければできない。


だからこそ、セレンディピティのようにうまくいったことがたくさんあったんだと思う。
ある意味お父様からのギフトだったのかもしれない。


彼女真似をすることが、万人に効く成功の道でもなければ、彼女が運にだけ恵まれていたわけでもない。


それを「周りも巻き込んで一緒になって成した」というところに意味があるんですよ。


そんなわけで、わたし自身、日本にいた時は、会議室で女性一人なんてことは気にも止めないレベルで、あったわけだけど(まぁ日常っすね。)おかげさまでいい意味で、差別されることもなく、がっつり仕事させてもらった自分の環境にも感謝し、まさになんか外国にまで来ちゃってる自分を思い、わたしにも、こんなセレンディピティはないもんだろうかなぁ、と思ったけど、、、わたしもこの著者さんとは全然別のところで、勝負してるし、もらってんだよなぁ。。。とかね。


いろんな思いが去来して泣けたんだなぁ。
全く関係者でもないのにね。


この素材をドラマでどう料理するのかは大変気になるところだけど、それよりも、ご本人にお会いしたいですよね。
機会があればお会いしたい方がまた増えましたね。


と、じんわり思いつつ、本を閉じるのでした。


自分で決めたことは最後まで「やる」って言う勇気が、ポイントかもね〜〜。









やっぱり日経BPさんはいいご本作るよね〜〜。
編集者さんを見て、二重に納得してしまったのは、内緒です!

author:ぷぅコッコ, category:ビジネス書感想, 06:12
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