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【読書】今日一日がちいさな一生


今日一日がちいさな一生





こちらのご本は、あさ出版様にいただきました。


このご本が出来上がるきっかけを、友達がFBで紹介しているのを読みました。

ご本の著書さんは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、心療内科医の海原純子さんです。


ある新聞で担当されている人生相談に届いた高校生からの手紙。

東日本大震災の日
彼女はおばあさまと一緒に逃げていたそうです。
おばあさまは途中で歩けなくなります、おぶろうとする相談者である高校生の背中には決して乗らず「行け、行け」と背中を押したそうです。

そしてその彼女はおばあさまに押されるままに逃げて、数日後、お祖母様は遺体で見つかります。

気品があって、優しく憧れだったお祖母様は、まるで魚市場の魚のように転がされ、人間としての尊厳などどこにもない姿であったと。

あの時、おぶって逃げなかった自分を未だ許せずにいると言うのです。


どんな慰めも聞き入れてもらえないような深い悩みに、海原さんは、おばあさまの意思を感じ、相談者に答えます。


「たとえ人はどんな姿になろうとも、外見で失われない尊厳を持っていること、おばあさまは凛とした誇りを持って生をまっとうされ、生き方の伝達をされたこと、そして、その生き方や素晴らしさは、彼女の心の中で受け継がれ、生き続けている。」と。


もっと詳しく書かれていたと思うけど、これを読んだ時、ひどく心を打たれたことを思い出します。


「この人の言葉を本にすべきだ!」


と感じた編集者さんの気持ちにひどく共感したものです。


きっと上のようなの相談を、もしも自分が受けたなら、「おばあさまはあなたに生きて欲しいと背中を押したんだよ。」と、そのことに「責任を感じる必要はないんだよ。」と伝えるだろうと思う。


でも、そんなこと、相手もわかっているんだと思う。


そこで、自分にとってかけがえのない、素晴らしいおばあさまが、まるでもののように扱われていることの方に、もしかしたら悩みの重きが置かれているかもしれない高校生の悩みに寄り添えなければ、この高校生はずっとずっと悩み続けたかも知らない。


彼女はきっと、自分が知る素晴らしいおばあさまを他の人にも認めて欲しかったんだと、そんな心があったんじゃないかと思う。


高校生の気持ちが、この回答でどう変わったのかはわからないけど、この話をFB上で読みながら、私も、「この人が書いた本が読みたい」と強く願ったのを今でも忘れることができません。


でも、ご本を頂いた後、強烈に読みたい気持ちと一緒に、どのページを開いても「号泣まつり」なんじゃないかと、ドキドキして、すぐに読み出すことができなかったんです。


そう、私の読書時間は、台湾新幹線の通勤時間です。


そんな時間に号泣し、会社で仕事。。。
考えただけで、アリエナイな。。。
と思って、しばらく開かなかったんですね。



それでも、読みたくて、読みたくて。


変な葛藤ですよね。


開いて読み始めると、先に書いたコラムが一番最初で、その後、ずっとこんな感じで東日本大震災の被災などに関する悩みが続くのかと思いきや、全然違いましたね。


そういう客観的に見られること。


こう言ってはなんですが、他の人の大変な話というのは非常に客観的に、答えを出そうとするもので、なんというか、感情移入はするけど、やっぱり最後で「自分のことではない」というのが最後の砦なような気がしてしまうんですね。


東日本大震災だけに限らないけど、例えば発展途上国の子供のこととか、同情し、感情移入するけど、どこかで「私とは違う」と思ってるんだね。無意識に。


号泣するだろうとおもいつつも、「この本はきっと他の人の悩みの話だから大丈夫だ!」って、何が大丈夫かってのはうまく説明できないけど、私の気持ちが揺さぶられることはないんじゃないかと思ってたんですね。


でもその、期待のようなものは、ものすごく良い意味で裏切られます。



海原さんは、ちょうど私の先輩か、その少し上くらいの世代だと思うんだけど、これから先、出会うであろう「自分」の悩みであったり、日々モヤモヤとしていることを言い当てられているようで、しかもその優しく鋭い語り口に心を鷲掴みにされました。


精神科医の先生が書かれた本も、いわゆるお医者さんが書かれた本もいくつか読みましたけど、そのどれとも違う、なんとも「女性らしい」感覚を受けるご本って、初めて出会った気がするんですよね。


うーん、うまく言えないんだけど、例えば自己肯定することにより、いろんなことがうまくいくというか、むしろ自己と向き合って自己肯定しないと、前には進めない場合も往往にしてあると思っていて、それらを題材にした本を読むと、「自己肯定することによって克服できることがある」と。。。「自分はそのまま認められる存在である」とかね。。。言ってることはわかるし、そうなんだけど、なんか違和感があって、なんていうか、「そんな大それたモンではないんだよ。」と言いたくなる。

それを先に伝えていなくても、「わかってくれてる」ような優しいそれでいて、しっかりとした語り口がとても心地よく、なんかすごく参考になるというか、すごく「良かった」んだよね。


そんな読み方をすると、号泣することなく、それでいて心はジンワリと暖かくなるようなそんな読書時間になったんですね。


それは、何が大きな出来事があって傷ついた人を「客観的に見れば」大変だよね!ってのがわかるのに、隣に座って仕事してる人がものすごく辛い思いをしてても、わからないんだなよっていう、誰しもが私とは違うけど、私と同じように、もしくはそれ以上に辛い思いを乗り越えて生きているんだということに、思い到らせてくれるという、とても不思議な体験。



誰しも、「隣の芝は青い」ものなんだけど、その「芝を青く保つため」には人知れぬ努力があり、苦しみがあることを想像できないといけないんだよね。



そういうことに、思いを「自然」と至らせてくれる素敵なご本だったなと思うのです。



この本は是非、とくに女性に読んでもらいたいな。

素敵な先輩からのエールを優しい言葉の中に感じることができるとおもいますよ。


少なくとも、この本によって私の海原さんへの気持ちはちょっと変化があったなぁ、今までももちろん美人で素敵だったんだけど、そういうことじゃなくて、素敵な素敵な人生の先輩なんだなと。
このご本読めて良かった。





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author:ぷぅコッコ, category:ビジネス書感想, 11:30
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