
NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法
この本は、いろんな事柄、特に人間関係について疲弊していた私に、非常に大切な友人が勧めてくれたご本です。
なかなか、読むのにパワーのいる本で、最初に勧められた時は、「もう少し、回復してから」と言ったんですけど、まぁ、日々を暮らすと、「完全に元気だ!」何てことはなかなかありえないもので、ましてや外国で働いていたりすると思わぬ「対人関係におけるコミュニケーションミス」などは往々にして起こるわけです。
言葉も文化も違うからね。
どうやって伝えたら伝わるんだろうか?ということを考えて言葉を選ぶ。選ぶんだけど、私の言葉は伝わっていない気がしてしまう。
「そんなもんだろうか?」
と何気なく、友人にそう言ったら
「どうであれ、しんどいかもしれないけど、この本を読んでみた方がいい」とのことだったので、意を決して読んでみました。
本の帯を見ると、「世界中で読まれている話し方の教科書」と書いてあるんです。
「あぁ話し方の教科書なんだ」
と思いながら、ページをめくると、確かに「本当の意味で伝えるということはどういうことなのか?」ということを軸にして、事実を観察し、主観を交えずに述べる方法が確かに書いてあります。
NVCとはNON-VIOLENCE-COMMUNICATIONの略で非暴力による対話とでも言えばいいですかね?
どんな人とでもそんな関係を築くためには、どうすればいいのか?
ということが主題です。
読み始めると、確かに、話を進めるにあたっての「テクニック」のようなものが出てきます。
なるほどね〜。
と思うわけです。
でも、これが私の求めてた答えだろうか?と、ふと思うのです。
確かに、同じようになぞっていけば、うまくすると、聞き上手になって、話の場をコントロールし、さらに今まで怒っていた人さえも冷静さを取り戻すかもしれない。
しれないけれども、やはり少し違和感があったんですね。
いわゆる、カウンセラーでもなければコーチでもない私が、心を砕いて、会話をするということに、果たして本当に意味があるだろうか?
とかね。
まぁ、そんな前半部分よりも、もっと、もっと重要なことは、ご本の後半に出てきます。
NVCの概念に基づいた「自分自身」との対話です。
何かに「イライラ」する時、「誰々のせいでイライラしている」と思うことは、よくよくあるわけですが、その時、あなたをイライラさせたその人は、私を「イライラさせたくて」そう言ったんだろうか?
もちろん、場合によっては、そういう、何かのイライラを解消するためのものであることも少なくない?かもしれないです。
でも、もしかしたら、そういうことでもないかもしれない。
相手の意図は、いったい、どこにあるのか?
そして、ふと、相手に言われたことが「スイッチ」となって「イライラした自分」は、本当のところ、「自分の中の何が満たされなくて、相手の言葉にイライラを募らせたのか?」
そんなことを深く、深く、探っていくことになります。
一回読んだだけで、できるようになるとは思わないし、上っ面だけできるようになることも、意味はないと感じています。
それでも、「もうこの人とは話しても無駄だ」と思えるような人でさえも、暴力の力を借りずに、話すことができる。
ということが、この本で出会った発見で、さらに、もっとも、びっくりしたことは、「相手とは考え方が違うという事実」があったとしても、「相手に共感して話を聞くことは可能だ」と説いているところです。
そう、私たちが日頃考えている共感よりも、さらに深い共感を求められるということ。
そうやって読み進むと、ふっと思うのです。
そんなに献身的に話を聞けるもんだろうか?ってね。
実は、そのことに対しても、答えが提示されています。
そこには、自分が苦しくなってまで「そこ」にとどまって、話を聞く必要はないというんです。(もしかしたら、私の理解が浅いかもしれないけど、そう書いてあると私は読みときました。)
その場合は、「まず、自分を整えてから」話を聞けるようになってから、相手に対峙し、改めて、共感を持って話をするということだそうです。
そんな意味でも、まずは「自分」と対峙するということになるのかな?
いつ、いかなる時のイライラも「人のせいにするのではなく、自分の中の何に触れて、イライラしているのか?」を自分の中に、さらには、「自分の言葉で」言い表してみる!そんなことの繰り返しです。
さてさて、先日、仕事のミーティングで、ちょいとしたコミュニケーションミスがあり、なんとなく「イライラ」することがありました。
「ちぇっ、なんだよぉ〜」
って、思うわけです。
でも、それを、「イラっとすることを言った人」のせいではなくて、その人が言ったことがきっかけで、イライラした原因は「私の中の「何が」満たされなかったのか?」ということに注意を向けて、考えてみたんですね。
結局のところ、そうやって考えていくと、「本当は確認した方がいいんだけど、後回しでいいかなぁ?めんどくさいし」とか、「案外ほっといても回るんじゃねーかなー」という、「甘い目論見がその通りにならなかった」ということが原因でイライラしてるわけです。
まだ、自分にできることがあったわけだね。
そんなことを考えてたら、イライラしてたのは、いつの間にか忘れてました。
んでもって、ミーティング終わったら、伝えなきゃねって行動に、素直に出られたというわけね。
いいじゃない。
私の感想を読んでいると、なんとなくこのご本、役に立ちそうでしょ?
でもね、このご本、一読しただけでどうにかできるというシロモノではなく、何度も読んで、いつも気付きがあるというタイプの本なんじゃないかなぁ?と思っています。
本当にそうなら、お得なご本じゃない?って話もあるけど、それだけ読むのにパワーがいるってことね。
友人がなぜこの本を私に勧めてくれたのか?その本当のところは聞いてみないとわからないけれど、「なぜ」を人の中に求めるのではなく、「なぜ」と思ったことで、自分の何が満たされないのかを考えてみたら?ってことだったのかもね。
まぁ、難しいですね。
このご本を教えてくれた友人に、ただただ感謝です。
ありがとう!
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