RSS | ATOM | SEARCH
【読書】BUSINESS FOR PUNKS ビジネス・フォー・パンクス


ビジネス・フォー・パンクス




このご本は、日経BP社様よりいただきました。
ありがとうございます。


イギリスのクラフトビールのメーカー「ブリュードック」をご存知かしら?

私はクラフトビールどころかビール全般を飲むことがないんです。
そもそも昔からあの苦味が苦手で、かつ最近は小麦が食べられなくなり、麦系のものもダメってことで、完全にビールからはおさらば状態なんだなぁ。

そんな私はブリュードックを知るはずもなかったんですけど、この本の発売にあたり、たまたま友達が出版記念のパーティーに呼ばれていて、FBのポストに「それはなんですか?」って普通に聞いてしまいました。


成功本でよく言われること、というか読んでいる実感として、よくよく思うことは、「成功物語は、後から成功者自らが作っている」ということです。


ですから、「誰しも、やりたいことに向かって、全てを捨てて頑張れば成功する」ようなことが書かれているし、「金の心配をしなくてもいずれ金は回ってくる」と説くものもあります。

最後には「今、始めるか、始めないかだ!」とね。

はじめさえすれば、あたかも成功するかのよう。


もしくはつぶさに、その会社の歴史を延々と述べ、その時々で素晴らしい出会いがあったのだと説く本もあります。


どうでもいいけど、どちらも絵空事だと思うし、話半分で聞かなきゃね!っていつも思っていましたし、います。


この本のはじめ、そんな懐疑的な私の心を揺さぶる言葉が出てきます。

圧倒的な確率で、企業は失敗に終わる。状況は最初から不利だ。スタートアップの80%が立ち上げから1年半で潰れる。1000社が中800社、10社中8社、5社中4社が、打ち上げ失敗で爆発する計算だ。これが事実だ。どう書こうが、楽しい話にならない。


ちょっとというかだいぶ衝撃を受けました。

そう、やっぱりスタートアップは8割潰れてんじゃん。

フリーランスだノマドワークだ、なんだかんだと言われる昨今、んじゃ自分を売り物にってことで始めたものもやっぱり潰れてんじゃん。


自分の人生なんで、失敗したって、そりゃそれでもいいかもしれないけど、そーじゃないでしょ?と思う中、「それでは成功するスタートアップとは何か?」というのを自分たちのパンクな哲学を元に紐解いていくのが本書で、他の成功本等とは一線を画す仕上がりになっていました。それだけに、中身にはうなりましたね。


ブリュードックのビジネスが実際にいいかどうかは私にはわからないです。

そもそも、ビールが飲めないことからして、ブリュードックのファンにはなれない。

だから、本当の意味で私がブリュードックを支える存在にはならないというのは、本書を読むとよくわかります。


彼がやろうとしていることは自分たちが作ったクラフトビールを売るってことじゃなくて、「世界にクラフトビールを愛する人たちを増やすこと」らしいですからね。


そのために、自分たちの作った最高のクラフトビールを届ける。


そして、それらを実現するためにできることはなんでもやるというスタンスです。

だから、本の帯にある通り、「ルールを破り熱狂を生むマーケティング」であり、「人の話は聞くな」「アドバイスは無視しろ」ってなるんだけど、この本を読めば、「人の話は聞くな」と言ってる意味も、「アドバイスは無視しろ」と言ってる意味も、この帯一つから、文章として受け取る過激さとは一線を画しているものとわかるはずです。


帯が示すほどにおかしなことでもなく、とても真っ当なビジネス体系であり、中を読めばトリックでもなんでもなく、現代のスタートアップのあり方そのものであり、最先端をいってるからこそ、受け入れられてきた、また、今後も世界に受け入れてもらうための施策を、次々に知恵を絞っている様子が透けてきます。


また、こういう本にありがちなのはファンを増やして過激にビジネスするという内容に終始すること、だったりするけれども、その点においても、この本は圧倒的に違っています。


スタートアップが続けられるために絶対に必要なこと。


そう、財務論の必要性を、本のはやいうちに説いているんです。


やりたいことがあって、何かを始めるとき、そのやりたいことに対する知識が乏しかったら、死ぬ気で会得するだろう。


それに加えて、スタートアップを続けるためには、やりたくないことだろうがなんだろうが死ぬ気で会得しなくてはならないもう一つが財務論だというのです。


それらは、確かにそうで、最初は素人だとしても、それらを人任せにしては絶対にいけないんだと説く。


そこに、彼らの本気を見た気がしたんだなぁ。

そういうところを抑えているからこそ、読み応えがあるし、嘘がないよなぁって思えたんですね。


それらに加えて、内容はさらに企業が大きくなっていく上で必要なチーム作りの話など、多岐に渡ってきます。


それらは、「あるスタートアップを成功させる」という小さなことじゃなくて、たとえ、スタートアップという形でなくても、仕事をする上を必要なこと。


いかに情熱を持って人を巻き込んでいくのか!?


ってことにつうじるんじゃないかなぁ?

正直、「自分の仕事にも使える!」と思ったことが、いくつもあって驚いたのでした。


さてさて、本書の最後にはこんな言葉が出てきます
ぼくは、
人のアドバイスは聞くな
と言った。
それはこの本に書いたこと
すべてにも、無条件で
当てはまる。



いやー、これで締めくくるか。


まさにパンクだわ。


というわけで、とても面白い本でした。
ってなわけで、早速、原書にあたろうということで購入しちゃったよ。
というのも訳文にあった日本語がすごく平易でわかりやすかったんだよね。

もし、日本語で受けた印象通りの英語ならば、そういう、英語書けるようになりたいなぁ〜と思ったりして。


すごい心を掴む言葉が詰まったご本だった!


これで、クラフトビールが飲める体なら、ブリュードックのファンになってるよ。きっとね。


マーケティングとか、それだけじゃなくて、チームで何かをやってる全ての人に読んでほしい一冊かも!


最後に、楠木建さんが解説を書かれてますけど、解説の方がよほど難しくて、私にはいらなかったかな?

あの解説で買うって人がいたら、個人的には驚きだったりする。

そんな楠木建さんの解説は置いといて、分厚い本ですが、この秋、攻略するにふさわしい一冊です!








楽天ブックス


author:ぷぅコッコ, category:ビジネス書感想, 20:55
comments(0), -, - -
Comment