はみだす力スプツニ子 著
スプツニ子さんは現代アーティストでMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの現役助教。。。
凄い経歴ですよね。
その彼女の自伝的エッセイです。
もともと彼女は日本の『規格』からは『はみだして』いる。それは彼女が日本人とイギリス人の間に生まれたハーフであり、物理を大学で教える父と数学を大学で教えている母という環境からかもしれない。
でも、その規格ってなんだろう。って考えさせられる。
彼女を作ったのはきっとお家の環境なのかもしれないけど、学校は彼女が書くものを読む限りにおいて、少なくとも高校まで(日本の公立小学校と女子だけのインターナショナルスクールと共学のインターナショナルススクールで学ばれている)学校が、その子供達と教師が彼女に与えたものはたしかに『はみだす力』だったかもしれないけれど、それは感謝されるベキ与えられ方ではなかった。
異色のものを排除しよう
というわかりやすい意識的なそして無意識な人々の態度によって『はみだして』しまったんだなぁ〜と思う。
でも、そのはみだしてしまったという事実をプラスに捉えることで、それをもバネにして、跳躍しているんだろうな。
アーティストだからはみだしているわけじゃなくて、アーティストになること自体も『家族が考える枠』からもはみ出した結果なんだろうなぁ〜
そんなことを思いながら読んだんですよね。彼女の歴史はまだはじまったばかりだなぁ〜というのと、この後の跳躍をもっと知りたいなぁ〜って思わせる感じの終りでした。
人は何を力に変えるのかってきっと大きな意味を持っているんだろうな。
どんな負の事象も世界を別の角度から見るための道具だったりする。長く生きてもそういうことに気がつけない人はいるわけで、そういう人はある枠から『はみだせない』んだろうな。
それで、私はどうだろう。。。
そんなことを思いながら本を閉じるのでした。