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【読書】「上に立つ人」の仕事のルール




苦労して成功した中小企業のオヤジが新人のボクに教えてくれた 「上に立つ人」の仕事のルール




こちらのご本は、著者さんご本人から頂きました。
ありがとうございます。


著者さんが私のブログを見つけてくださって、お声がけいただけたということで、私としてもなんとも感慨深いです。


こちらのご本、台湾の家に届きまして、それを見かけた息子2号が一言。
「この本、もらってなくても、かーちゃん買ったでしょ(ニヤリ」
そう、うちにはこのようなビジネス書がいっぱいありまして、息子らもよーくわかっているのです。


そんなご本なのですが、他のビジネス書とは異なり、これは「小説」です。


最近のビジネス書というのは、目次前に著者さんの経歴であったり、その本の中で読んでほしいポイントなどが書かれ、思いっきり興味を引きつけてから、目次に入るというのが多いように思います。
でもこれは「小説」ですから、そんな話は一切なく、いきなり目次から始まります。


むしろ推理小説にありがちな、登場人物の簡易説明くらいつけた方がいいかもと思うくらいのあっさり度(なくても全然問題ないです。全ての話は「オヤジ」を中心に進みますから。)
そんな始まりにビックリしながら、ページをめくるのです。


最初にこのご本の著者さんと、当時の会長兼社長であり、このご本の中心となる「オヤジ」との出会いが描かれます。


ビジネス書というと、「書くべき資格のある人が書く」ということがよく言われます。


なにがしかの「こと」を成した人
なにがしかの「成果、成功体験」がある人
なにがしかの「ノウハウ」がある人
などです。


でもこのご本にはその説明は一切ないです。


「オヤジ」は中小企業の会長兼社長であるという事実があり、新入社員と出会うということです。


中小企業なんていくらでもあるし、成功してる人もしてない人もいくらでもいる。
大企業になっているわけでもない。
うがった見方をすると本を出すほどの?と言われてしまうような、書くべき資格論から言えば外れてしまうようなということを思うわけです。


でも、私の考えは違います。


書くべき資格なんて本当はないんじゃないだろうか。


そこには書くべき理由があるだけで。

そして、著者さんはその「オヤジ」さんから身をもって学んだ、「上に立つ人のルール」を後輩たちにその息遣いごと伝えたかったなのではないか?


そしてその教え、というか「オヤジ」さんの深い愛情は、その会社に関わる人だけでなく、全てのビジネスマン、いや多くの人に「共感」を呼ぶ一人の人の生きたかを示しているな、と読みながらしみじみと噛み締めたのです。


小説仕立てのビジネス書というと「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」や「アクセルを踏みこめ (経済界新書)」が思い出されますが、この2冊に共通することは、どちらもわたしは読みながら「泣かされた」ということです。
ビジネス書で泣かされるというのはほとんどないことですので、この小説に仕立てた形のビジネス書がいかに心を動かすか?ということでもあると思います。


そしてこの本でも、「オヤジ」さんの深い愛情に、涙させられました。


先にあげた2冊は、通勤中の満員電車で読み、泣いたのでえらいはずかしい思いをしましたけれども、今回のご本は家で読んでよかったぁ、、、と、本当に思いました。通勤途中の新幹線で読んでたら、また恥ずかしい思いをするところだった。


さて、このご本、そもそもは著者さんが先代の「オヤジ」さんから身をもって教えられたことを、研修等で話していたことに端を発するそうです。
それらが編集者さんとのご縁で、ご本になったということが最後に書かれています。


読んでいる途中から思っていたことですが、このご本、書かれた著者さんもさることながら、おそらく、編集者さんの「良い本にしたい」「オヤジさんの気持ちをみんなに伝えたい」という想いがものすごく強いんじゃないかな、と。


構成もそうなんですけど、特に心掴まれる言葉を、その他のページとは異なる形で抜き出して、「ポン」と魅せるというやり方に、実は「泣かされた」んです。


「ここで、この言葉をもってくるかぁ。。。くぅぅぅ」
(号泣。。。)
みたいな。


客観的に見ると、「オヤジ」さんの叱り方は、著者さんも一番最初に書かれているように、今の時代ならパワハラと言われかねない、叱りっぷりです。


でもそこには、深い愛情がある。


そして、時には、あえて経験を積ませるために、なにも手を出さないこともある。

誰にでも覚えがあるかも知れないけれど、中途半端な指示や本当は自分が失敗し、咎められるべきところで、ほかの人が手をさしのばしてくれたが故に、うまくいってしまった経験。

でも、それらは素敵な先輩に抱えられてたからこそ、なんとかなっていたわけなのに、強烈な失敗体験として残らなかったり。
そして、またやってしまったりするわけです。


でも、自分で徹底的に失敗したタイプのことはたいていの場合、自分の身に刻まれ、忘れないものです。


「オヤジ」さんはそれをよく分かってらして、時に大変な授業料(負債)を抱えることになったとしても、手を出さずに進めさせる。


やっている本人にとっては、わからないこと、必死すぎて見えないことをあえて伝えないという勇気によって人を育てる姿勢。


本当に、「上に立つ人」にしかできないのかもしれないと、思うのです。


ビジネス書に書かれることの全てというのは、人が生きていく上で、成長するために必要なことだったりします。


でもそれらは、読んだだけではダメで、実際に自分で経験しないとモノにならないことも少なくないです。


エレノア ルーズベルトさんの言葉にこんなものがあります。
「 他人の失敗から学びなさい。あなたは全ての失敗ができるほど長くは生きられないのだから。」
まさに、その通りで、全てが失敗できるほど、長くは生きられないです。


でもだからこそ、リカバリーできるうちに失敗し、身に刻むことができる人は幸せだなぁ、とも思うのです。



本を読んでもなにも変わらないかも知れないけれど、本を読んで行動を起こせば、明日はまた別の未来に繋がる日になるかもしれない。



「オヤジ」さんの生き方はまさに社内の一人一人を、「未来に繋がる人材を多くの育てること」にあり、先代の言葉を紡いだ著者さんは「多くの人に「オヤジ」さんの言葉を通して、未来に繋がってほしい」との願いを託したのかもしれません。


一つ一つは小さなことかもしれないけれど、やるとやらないでは、人生が変わってきます。
一時期は、小さすぎて変わらないと思うかもしれないけど、振り返れば大きく変わるものなんだと思います。


今回このご本を頂いたことも、これまでが紡いでくれたことで、これから先、また新しいことに繋がっていくのかもしれません。


下手なノウハウ本より、よほど心に届きます。


日々を着実に生きている人たちに、一人の「上に立つ人」の生き方をこのご本で丸ごと感じていただきたいと思っています。







ここから先は、著者さんへのメッセージです。


嶋田様
この度はご本、お送り頂きましてありがとうございました。

「オヤジ」さんの懐の深い生き方に、時に涙して拝読しました。

これを嶋田様の口から直接聞ける社員さんたちは幸せですね。

とても素敵なことだと思います。

そして、編集者さんのこのご本にかける思い、「良い本にしたい」という気持ちもご本の中から伝わってきました。

このご本が多くの方に届くようにと願っています。
author:ぷぅコッコ, category:ビジネス書感想, 17:45
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