(001)○に近い△を生きる (ポプラ新書)
最初に言いましょう、この本、むちゃくちゃいいです!
みんな買って。
本当に。
日本人、みんなに読んでもらいたい!
多分、今年1番というだけではなくて、おそらく、ライフネット生命社長の岩瀬さんが自著の中で、出口さんのことをお書きになった、ほんの少しのくだりで、「この出口さんって方は誰なんだ」と、思って以来の衝撃を持って受け止められました。
鎌田医師。。。この人は誰なんだ。
いろいろな功績や、人となりは本に譲ろうと思います。
とてもじゃないけど、書ききれない。
そして、この鎌田医師は、久しぶりに私の会いたい人リストに追加された有名人です。
そのくらいの衝撃でした。
このご本、何気なく見ていたFBのポストで、友人が絶賛していたんですね。
彼女のコメント、彼女のブログを読んでその場でアマゾンにて購入。
そして読みました。
この本のタイトルある
「○に近い△を生きる」
の「○」とは「正解」を意味しています。
でも、世の中は「正解」と「不正解」の二つでできているわけではなく、そのほとんどはその間に位置するグレーな領域。
そのグレーな領域は「△」というわけ。
正解じゃないから、○はもらえない。
でも、△。。。
むしろ、△。。。
期待した答えじゃないけど、第三の、いや、第四の解決策。
見たことも聞いたこともないから、正解だとは思えないけど「別解」
なんとか生き抜くために必要な知恵を絞り出し、本当は○じゃないってわかってるけど、○に近づけていくこと。
鎌田さんは、そんなことを全編に渡り、説いておられました。
日本には「○」を求める傾向が多すぎる。
でも、その「○」だけが、解答なんだろうか?
そのほかにも、○はもらえないけど、解だと言えることはいっぱいあるんじゃないだろうか。
先日だったと思うけど、「忖度は日本だけ」みたいなポストをFBで見ました。
いやいやいやいや
何言ってんの
日本流忖度は日本だけかもしれないけど、台湾だって、アメリカだってそんなもんあふれてる。
日本とは違う忖度
日本とは違う空気
そんなものが流れているだけなんだよ。
このご本の中には多くの「別解」が出てくるんだけれども、その中でも衝撃だったことがあります。
それは、途上国における売春をしている少女の話です。
売春をしいられているようにみえる少女たち
売春なんて、とんでもないことだ!
やめさせるべきだ。
エイズの拡散予防のためにも
そんなことは許されない。
そして、日本にいる私たちは、そのために、寄付をしようではないか。
少女たちの美しい未来のために。。。
そんな空気、ありますよね。
でも、現地の女の子たちの中に入り、話を聞いてみると、違う現実が見えてくるんです。
ある女の子はエイズにならないために売春婦をしているのだ!と証言したといいます。
わけがわからない。
でも聞いてみると、その理由がわかってくる。
自分の村に残っていれば、コンドームを使わないレイプが横行しており、売春婦をするより、よほどエイズにかかる危険はもっと高いのだそう。
その点、売春婦であればお客さんはきちんとコンドームを使うため、エイズにかかる確率が低い。
売春をして、お金を貯めて、ここを出ていくのだと、未来を見据えて語ったそうです。
これは、現場に行って、入り込んで聞かなければわからない現実。
そして、彼女が考える人生の解答は、一般的には「○」ではないかもしれない。でも、今に甘んじることなく、また、冷静に自分のできることを鑑みて、未来を見据えて出した結論なんだろうと思う。
それを、「○」じゃないからやめさせるって、何かとても勝手なことな気がしませんか。
これは極端な例かもしれないけど、世界はそんな「別解」に溢れているし、日本についても、「○であるところの正解」なんて砂上の楼閣のようなものだとみんな気がつき始めているんだと思うんだよね。
いや、もう、十分わかってるだろうと思う。
だから、私たちにもこの「別解」
「○に近い△」という考え方が絶対に必要で、みんなに考えて欲しいと思う。
本に書かれていること全てについてコメントすることは到底無理!だからそこ、ここに書いたことで、いや、私がいつもブログネタにすることで、何か感じ取ってくださってる皆さんには、是非読んでいただきたいと思う。
ほんと、騙されたと思って手にとってみて、人それぞれ全く別の感想かもしれないけど、感じてもらえることがあると、私は思っています!